もうご存知の方も多いと思いますが、昨日、中国の大会(トレイルラン)で事故がありました。
新華社電の概要ですが
「甘粛省白銀市景泰県で開催された2021年(第4回)イエローリバーストーンフォレストマウンテンマラソン100kmクロスカントリーレースが22日、イエローリバーストーンフォレスト景勝地で開催され、1万人近くが参加し、健康的な走りを披露しました。 そのうち172人が100kmのクロスカントリーレースに参加しました。極端な天候で21人が死亡しました」というものです。
この大会には、UTMF2019で二位に入り、岡山県内のランナーにも人気のリャン・ジンさんも参加していて、彼も亡くなったということです。
詳しくは、下記リンクをお読みください。
集団登山事故を除けば、史上最悪のスポーツ事故ではないかと思います。
天候の急変は、近年の気象情報でほとんど予測可能なはずで、主催者の安全管理に問題はあったのでしょうが、ランナー自身も「自分の身は自分で守る」というアウトドアの鉄則を忘れないようにしなければいけません。
天候予測と装備のチェックは山の基本です。
危険を感じたなら、引き返す勇気を持たなければいけない。これも鉄則です。
また、山の事故で最も危険とされるのは集団心理による事故です。
大会だから安全だろう、というのは間違いです。
みんな進んでるから、大丈夫だろう、も間違いです。
集団で進んでいるとき、人はストップがかけにくくなります。
「いいのかなぁ、大丈夫なのかなぁ?」と思ったら、口に出して言いましょう。
そう言う時、誰もがその言葉を待っているはずなのです。
立ち止まって慎重になりましょう。
一つ間違うと、危険回避のタイミングを失うことになります。
今回の中国のケース、だれか見識あるアドバイザーがいれば、大会側に危険予知を告げ、中止などの警告をすることができたかもしれないと思います。
大会を運営する側としても、安全と大会続行の客観的な判断基準をいつも考えておく必要があります。
何より、楽しむべきスポーツで命を失うようなことがあってはいけないのです。
亡くなった20人以上の人には、それぞれ家庭があり、妻や夫や父・母・子供などの家族があったのです。
会社やコミュニティにも大きな悲しみがあるはずです。
それを考えると、主催者も参加者も慎重過ぎるくらい慎重でなければいけないのです。
もし何かあった場合、誰にも責任は取れません、あなたの代わりは誰にもできないのですから。
楽しい時、うまくいってるとき、どこかで危険の声に耳を傾けてください。
最後に、亡くなられたランナーとご家族の方々に心からお悔やみを申し上げます。
岡山県トレイルランニング協会
会長 村松達也
中国の大会で事故
